FOMC発表にその後円が急騰と怒涛の展開

2日午前3時にFOMCが米政策金利を発表し、予想通り据え置きだったが今後の利下げが示唆された。この発表は予想通りで為替市場の反応は小幅だったものの、午前5時頃に突然円が急騰。この動きは政府日銀による今週2回目の介入と思われる。

午前5時頃から4円以上円高

　2日間の日程を終え、日本時間の2日午前3時にFOMCが米政策金利を発表。今回は大方の予想通り5.25～5.5％のまま据え置きだった。これでFOMCの金利据え置きは6会合連続となる。

　同時に発表された声明では「インフレが2％の目標に向けて進展しているとのもう一段の確信が持てるまで、政策金利の維持を想定している」との文言があり、慎重な姿勢を見せつつ今後の利下げが示唆された。

　そして今回は同時にバランスシートの縮小ペース減速が発表された。これはFRBが2008年頃からの量的緩和によって膨らんだバランスシート、つまりFRBが保有する資産額の縮小ペースを減速するという意味。

　これまでは米国債を月あたり600億ドル（約9兆3000億円）、MBS（住宅ローン担保証券）を月あたり350億ドル（約5兆4000億円）のペースで縮小してきた。それを米国債は月あたり250億ドル（約3兆9000億円）に減速し、MBSは変更なしとされた。

　午前3時半からパウエル議長の会見が行われ、そちらでも利下げには慎重な姿勢が示される一方「次の政策変更が利上げとなる可能性は低い」という発言もありこれ以上の利上げはない可能性が高いことが示された。

　午前3時の発表や3時半からのパウエル議長の会見では為替レートはあまり動かなかった。FOMC発表から約2時間は1ドル＝157円台で主に推移していた米ドル/円レートだが、午前5時頃に異変が起こった。

　それまで157円30銭付近だったレートが急激に猛烈な勢いで円高に動き、午前6時前までの1時間弱で4円以上も下落して一時は153円をつけた。そしてそこから今度は円が急落して数十分後には155円まで戻ってきた。

　これは非常に不自然な円高の動きなので、市場は政府日銀による介入が再度行われたと見ている。今週29日月曜には為替レートが一時1ドル＝160円を超えるほど円安が進行した後、数円ほど急激に円高になった。この動きは政府日銀の介入と見られているが、公式には認めていない。

　外部の推定では29日の介入規模は5兆円程度と見られ、2日未明に行われた今週2回目の介入規模は約3兆円と推定されている。わずか1週間足らずで約8兆円もの巨額の資金を介入に使ったことになるが、これで円安の根本的な解決になるとは考えにくい。

　今週は日本がGWの週だが、2日未明から早朝にかけ、FOMC発表から政府日銀の今週2回目の介入と見られる円高と怒涛の1週間となっている。