メタプラネットが2日連続大幅安

今年前半に株価が暴騰して東証で最も話題の銘柄の1つとなったメタプラネットだが、1日の株主総会が終わった後、3・4日と連日約6～7％の大幅下落。同社にとって節目の777円をついに割ってしまった。

定款変更が売り材料になったか!?

　メタプラネット（銘柄コード：3350）という企業は今年前半に株価が暴騰して、東証で最も話題の銘柄の1つとなった。

　メタプラネットは1999年創業でもともとはホテル業を行っていたが、2024年になってビットコイン購入を基幹事業にすると発表。

2025年になるとビットコイン購入ペースを加速させ、現在では日本で最も多くのビットコインを保有する企業になった。今年になってトランプ政権の成立とともにビットコインはじめ仮想通貨市場が上昇してきたため、メタプラネットが持つビットコインの資産価値も上昇してそれが株価を押し上げる材料となった。

ビットコイン購入事業開始前の2023年には10円台だった株価は、2024年にビットコイン購入事業を開始してから上昇。今年前半には上昇が加速して6月19日には1,930円の高値をつけた。

　ところがビットコイン21万枚を購入するための「555ミリオン計画」で、EVO FUNDに対して5億5500万株もの大量の新株予約権を発行したことがその後の株価に大きく影響を与えた。

　EVO FUNDは6月下旬に行使可能期間になるとすぐに大量行使を始めたため、大量売り懸念からその後株価が下落し8月20日の場中には801円をつけた。ここまでくると、EVO FUNDの行使価格の下限である「777円」が意識されてくるため、株価の下落を防ぐために8月27日には9月3～30日の新株予約権の行使を停止することを発表した。

　このような厳しい状況の中、9月1日には株主総会が開催され、いくつかの議題が可決された。その中には、発行可能株式総数をこれまでの16億1000万株から、27億2300万株へ増加させる定款変更があった。さらに今後の公募増資計画のための優先株発行を可能にする定款変更もあった。　

　これらの定款変更案が可決されたことで、株式の希薄化懸念が高まり総会後の同社の株は下落している。総会直後の2日こそ2.6％上昇して853円をつけたが、翌3日には6.2％も下落して800円で終了。さらに4日には7％続落して744円で終了した。

　この時点でついに問題の「777円」を割ってしまった。現在は新株予約権の行使が停止されている期間にも関わらず、株下落を止めることができていない。10月になるとまた新株予約権の行使が再開されるため、10月以降の株価上昇はさらに厳しくなるかもしれない。ビットコイン購入だけで今年前半に暴騰してきたメタプラネット株も、もう限界なのだろうか。